6.3.10

「濃密」「濃厚」の違い

濃密:
「濃密な関係」「濃密な味」「濃密な描写」「濃密ジェル」
色彩や感情などがこくて、密度が高い。

濃厚:
「濃厚な味わい」「どろり濃厚ピーチ」「濃厚なラブシーン」「敗色濃厚」
色彩や味わいがこくて、こってりしている。

「濃密」の場合は、有形無形を問わず、密度の高さに重点を置いている感じがする。
例えるなら、極小の粒をたっぷりと集め、凝縮させた結果、濃くなると思える。

「濃厚」の場合は、基本は「色・味・におい・成分」などに限って使う。
「濃密」のように、極小の粒を集めるところは同じだが、凝縮させるまではいかない。
「厚」の字が示すように、薄いものを何枚も積み重ねた結果、できる濃さだと思える。
それが転じて、「人間同士の関係」や「ある可能性が強く予想できること」にも使える。

「敗色濃厚」というのは、敗因が時間の経過とともに積み重なって「敗北する可能性が極めて強いと予想できる」ことだと考える。
「敗色濃密」と言わないのは、「濃密」に薄いものを積み重ねるような時間の経過が感じられないからだろう。

「濃密な味」は、味の成分がぎっしり詰まっているという印象を受ける。
「濃厚な味」は、味の成分がたっぷり入り、ちょっとしつこいような印象を受ける。

「濃密な関係」は、粒子がぎっしり詰まるような近さ・狭さを感じる。物理的にも精神的にも「距離」に焦点を当てている印象。
「濃厚な関係」は、時間や経験を「積み重ねた」厚みを感じる。時間や経験の「長さ」に重点をおいた印象。

似ているけど、微妙な違いがあると思った。

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